※本稿は、小林弘幸『自律神経の名医が教える究極の休み方』(宝島社)の一部を再編集したものです。
■朝食をゆっくり15分で精神的な余裕が生まれる
自律神経のバランスを整える「時計遺伝子」の乱れを修正し、活性化させるためには、「栄養バランスがいい」朝食を「ゆっくり楽しんで」「十分な量を食べる」のが大事です。
西洋のことわざに「朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧民のように」というものがあります。また「朝食は金、昼食は銀、夕食は銅」とも。いずれも「朝食はもっとも大切な食事」だと伝える格言です。
もちろん朝は、誰でもドタバタするものですが、ほんの15分でいいので、朝食を取る時間を確保しましょう。ゆっくり食べると副交感神経の働きを高め、一日のスタート時点で精神的な余裕を生むことができます。
焦りながら適当な食事を少しだけ食べ、家から駆け出したのでは、交感神経が高まりすぎ、勉強や仕事をきちんとこなすことはできません。
夜型の生活リズムで朝に起きるのが苦手、そもそも朝食の習慣がない、という人は現代社会では少なくありません。
でしたら、簡単に食べられる朝食を考えてみませんか。朝食の目的は、時計遺伝子を動かし、午前中のエネルギー源を確保することですから、エネルギーをつくりやすい米飯はおすすめです。夜のうちに炊飯器をセットしておけば、朝は食べるだけです。
■ストレスフリーに、おいしく、楽しく食べるのが肝心
農林水産省も「めざましごはん」として米飯を推奨していますが、お茶漬けや卵かけご飯に、漬物や前日の夕食の残り物を食べる朝食で十分です。
朝食を上手に取れば、疲れた心身は劇的に改善されます。
朝食は少しでもいいので食べることが重要です。ストレスフリーに、おいしく、楽しく食べるのが肝心なのです。
糖質を気にしているから米飯は無理! という人は、果物ではどうでしょうか。果物には、さまざまなビタミンやミネラル、酵素も含まれています。
酵素は食べ物の消化をうながし、体内にたまった老廃物を排出するように働き、体の新陳代謝を活発にする作用があります。まさに朝食にピッタリの食べ物ですが、果糖も多いので食べすぎには注意も必要です。
分量や栄養だけにとらわれるのではなく、少量でも好きなものを選んで楽しく食べましょう。そうすれば、イライラや焦りが消えていくはずです。
■手軽に好きなものを、少しでも味わって食べる
健康には「一日3食、バランスのいい食事」が必要だと考えられています。もちろん、それができればそれにこしたことはないのですが、特に働き盛りの人や独身者が毎食に気を配るのは難しいでしょう。
残業で夕食が遅くなったり、飲み会があった翌朝に、食欲がなくなったりする経験は誰にでもあるはずです。
そうした生活サイクルの乱れをリセットするのも朝食の役割ですが、何かをちゃんと食べなければならない、という強迫的な考えはやめましょう。それこそストレスになってしまうからです。手軽に好きなものを、少しでも味わって食べることがポイントです。
そういうクセがつけば、自然と時計遺伝子が動き出して自律神経が整い、新陳代謝やホルモン分泌もよくなります。新陳代謝がよくなれば、腸内環境も向上し、疲れた心身が改善するというわけです。
自律神経の乱れが改善される
■効果的に心身の調子を改善するみそ汁の効果
体調を整え、健康を増進させるスーパーフードが「みそ汁」です。
みそには、いろいろな健康効果があります。まず「植物性乳酸菌」が多く含まれ、生きたまま腸まで届くので、腸内環境を整える効果が期待されます。
みその酵素や酵母の働きで生まれる「脂肪酸エチル」は、発がん性物質の力を失わせる働きがあり、みそ汁を毎日飲むと胃がんのリスクを33%も下げるだけでなく、脳卒中や心臓疾患などの発症も低下させるとのデータがあります。
悪玉コレステロールの吸収を低下させる「レシチン」や、血糖の上昇を抑制する「サポニン」は、生活習慣病を予防。またメンタルにも作用し、安眠効果や、興奮した神経を鎮める物質セロトニンの分泌をうながす「トリプトファン」という成分も含まれています。
毎日みそ汁をつくるのは大変! という人は、簡単な冷凍みそ玉をつくり置きしておくという方法があります。
リンゴ酢大さじ1、白みそ・赤みそ各80g、タマネギすりおろし1個150gを混ぜ合わせ、製氷皿などで10個に分割して冷凍。みそ汁にするときは、凍ったみそ玉に熱湯を注ぐだけです。
朝食の際、みそ汁を欠かさず飲むようにすると、効果的に心身の調子を改善することができるでしょう。
健康を増進させるスーパーフード
■理想的な配分は朝4:昼2:夕4
心身をいたわり、不調を改善するには、一日3回の食事を取り、食べる量と時間帯に気を使うことが大事です。
食事ペースが不規則で一日2回、なかには一日1回という人もいるはずです。こうしたペースでは内臓に負荷がかかるだけでなく、脳への刺激も減ってしまうので、まずは3食をしっかり取るよう心がけましょう。
食事をすると腸が動き、全身の血流も増えて体温が上がり、咀嚼(そしゃく)することで脳への刺激が増えます。一日3回、物を食べるという行為は、活動に必要な栄養分を摂るだけでなく、内臓や脳への刺激を与える意味もあるのです。
食べる量も重要です。ただやみくもに食べるのではなく、3食の配分を考えます。朝4:昼2:夕4が理想的な配分ですが、朝4:昼3:夕3でもOKです。
ダイエットのために朝食を抜く人もいますが、朝に摂ったカロリーはきちんと代謝するので、よほどの量を食べるのでなければ心配する必要はありません。
■朝を抜くとかえって肥満を防止できない
朝を抜くと昼夜に食べすぎたり、栄養を過剰に吸収する機能が働いたりするので、かえって肥満を防止できなくなります。朝食はしっかりと食べて、体を動かしはじめるエネルギーを手に入れ、自律神経のバランスを整えることがポイント。
夕食は午後9時までに終えるのが理想です。これは副交感神経が高まり、腸がもっとも活発に動く夜12 時から3時ごろに、胃の食べ物を消化しておくことが大事だからです。
食事のリズムは一日3回が理想的です。
一日の食事のカロリーが同じ場合、2回よりも3回に分けて食べたほうが瘦せやすいことがわかっています。
食事の回数が増えると1食分のカロリーが少なくなり、血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌量が減少して脂肪の合成が少なくなる、とうのがそのメカニズムです。
また食事回数が少ないと、空腹の時間が長くなり、脂肪が蓄積されやすくなります。
人間の体は食べる量が少ないと栄養不足の状態になり、摂ったカロリーを少しでも多く蓄えようとするので、太りやすい体質になってしまうのです。
■規則正しい食事リズムで心身のパフォーマンスが向上
食事は一日3回より少ない回数だと、食べる量が限定されるため、一日に必要なカロリーが足りなくなります。
すると、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足し、食べたものを効率的にエネルギーに変えることができなくなくなります。その状態では体の不調を回復させる力もなくなってしまいます。
規則正しい食事リズムをつくると心身のパフォーマンスが向上するだけでなく、体重の変化も少なくなります。つまり適度なダイエットにもなるわけです。
逆に、すべてにルールをつくって制限しすぎたり、むやみに食事回数を減らしたりすると空腹感のストレスがたまり、体重のリバウンドの率が高くなる場合も。お腹(なか)が空けば、どうしても間食や過食をしてしまうからです。
無理のない範囲で正しい食事リズムの生活を実践していくと、体を休息させることができ、体調がよくなっていることに気づくはずです。
適度なダイエットにもなる
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順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。
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(出典 news.nicovideo.jp)
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